高橋薫 (66) 女性 寺子屋塾講師
SELPからの成果
私はSELPを受けて本当によかったと思っていることは、これまで沢山のプロジェクトを成功させても感じたことのなかった、仲間への心からの感謝と感動を得られ、本当の成功を体験したことです。
私は長年、子どもに関わる仕事をしてきました。その中で、愛と笑顔で満ち溢れている世界を作りたいという思いから、様々なプロジェクトを企画し、成功させてきました。しかし、最後には「一人ぼっちだな」というどこか虚しさを感じることがあり、SELPでも同じようにプロジェクトを進めていました。
SELPはプロジェクトを扱っていく中で地域に貢献し、人生に違いを作って行くコースです。私は、「地域の子どもから高齢者、障害を持っている人もフラットに、ゲームや、出し物をする交流会」というプロジェクトを行いました。
準備期間中にコロナ禍になり「私には責任が取れない」と、独断で中止にすることが頭をよぎり、「これが虚しさを感じている理由だ!」と、初めてその理由がわかりました。それは、 今までずっと独断で、周りには文句も言わせず、ただ指示をしてきたからだということでした。
今思い返すととても酷いことですが、愛と笑顔で満ち溢れている世界を作りたいと思っているにも関わらず、これまでのプロジェクトでは、メンバーを駒のように扱ってきたかもしれないと思い、愕然としました。
そのことがわかると、初めて、一人一人の顔が浮かび、一緒に乗り越えてみよう思いました。
すると、驚くことに、皆が口を揃えて難しい状況の中でも今できることをやろうと言ってくれました。それからは、「自分が成功させる」という独りよがりではなく、皆で作り上げていく、楽しさと大きなことが作り出せる可能性にワクワクしました。
その結果、一回目のプロジェクトはテレビの取材まで入り、大成功でした。そこには、私が本当に欲しかった、愛と貢献に満ち溢れている世界そのものが広がっていました。
その後も、コロナが続きましたが、隣の町で二回目を開催したときには、町長も来てくれ、「こんなに素晴らしいものだったらまたやってください」と言われ、三回目も開催することができました。
文句を言わないでやってくれることが当たり前だと思っていた私にとっては、SELPでの経験は、人生の大きな転機となりました。それは、いつでも人の偉大さを感じられ、関わる人全てに感謝をもって関わるようになったことです。一人残らず笑顔で溢れている場所を作り出すことが「本当の成功」だと温かい気持ちになれていることが一番の成果です。